やぎさわ便り八木沢里志 公式サイト

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2025.03.07 Fri.

トークイベント

一昨日の夜は、キム・ホヨン氏との対談イベントに出演させていただきました。

同じヒーリング小説の書き手として、創作やどんな気持ちで執筆にあたっているかなどお話ができて、楽しかったです。

僕がいろいろ個人的に聞いてみたかったことをばんばん質問してばかりで、大丈夫だったかな……。僕は楽しかったですが、会場に来てくださった方も楽しんでいただけたなら良いのですが。

僕がキムさんに一番聞きたかったのは、「どんなときに物語が思い浮かぶか?机に座りながら話が思いつくタイプですか」です。他の書き手の方、しかも優れた書き手が、どんなときにインスピレーションが湧くのか知りたかったのです。

キムさんは、机に座って考えてもなかなか話が出てこない方だそうで、普段から歩きながら物語の構想を練っているとのことでした。僕も同じで、だいたい物語の基盤となる部分は、歩きながら浮かんでくるし、骨子もまた歩いている最中に固まっていくので、同じでちょっと嬉しかったです。

僕が歩くのがとても好きだと言うと、キムさんも同じだとのこと。ならば、今度僕が韓国を訪ねたときは一緒に歩きましょう、と約束しました。キムさんがソウルの街を案内してくれるそうで、とても楽しみです。

というわけで無事にイベントも終わり、ほっとしています。海外の作家さんとこうして交流を持たせてもらえるのは、すごく嬉しく、そして誇らしいことです。また機会があれば、このような場に参加させていただきたいですね。

そして、キムさんと韓国で再会できるのを今からとても楽しみにしています。

2025.03.04 Tue.

明日は……

今日もまた、とても寒い一日でした。

ジウとも散歩に出たものの、寒すぎて近くの公園にちょっと寄って、すぐにUターン。寒い日は撤収が早くて助かります。

そんなジウは最近、肌の調子が悪いです。もともと皮膚にアレルギーがある子で、ここ数ヶ月はステロイドを飲ませて様子を見ていたのだけど、薬の予備がなくなった途端にまた肌に痒みが出て強く掻いてしまい、頭や耳の後ろ、背中がハゲてしまいました……。かわいそうに。

アレルギーの原因がわからないけれど、とりあえずステロイドは飲ま続けた方がいいのかなあとちょっと迷い気味。ステロイドは体への負担もやはりあるようなので。

猫が体を掻きむしってしまう原因に、他にストレス性のものもあるのだそう。うちでは特にジウにストレスをかけている覚えはないのだけど、なんでも怪しがる妻いわく、「あなたがトト、トトってトトちゃんばかりかわいがるから、傷ついてストレスになってハゲちゃったんじゃないの。もっとジウへの愛を全面に出して」とのこと。

オラオラ系のジウに限ってそんなことないだろうと思うのだけれど、万が一のためにしばらくジウびいきにしてみようかと思います。いや、人気者は大変です(得意げ)。

と、話は変わって、明日の夜19時からは神保町の韓国書籍専門店チェッコリさんで、キム・ホヨン氏との対談イベントに出ます。同じヒーリング小説の書き手として個人的に聞いてみたいことがたくさんあるので、どんなお話が聞けるか楽しみです。

しかもイベントに興味を持ったNHKさんから取材依頼があったそうで、明日の会場ではカメラを回すそうです。個人的にはへらへらと気楽にやりかったけれど、頑張ってお話しようと思います(プレッシャーになるので、あんまり考えないようにしてますが)。

というわけで、会場にお越しくださる方にお会いできるのが楽しみにしつつ、今日は寝ることにします。

2025.03.03 Mon.

失敗してもいいし恥をかいてもいい

昨日はとっても暖かかったのに、今日は一気に寒さが逆戻りの1日でした。

僕の住む関東某所では午後からぼた雪が降っていました。ジムでランニングマシンで走りながら、窓の外でしんしんと降る雪を眺めながら、「美しいなあ」と見惚れてしまいました。まあ、積もったりしていないので、呑気にそんなことを言えるのですが。

ところで人間を一番窮屈にしてしまう考え方ってなんでしょう?今日はずっとそんなことを考えていました。

僕が思うに、「失敗したくない。恥をかきたくない」という思いを持って生きることじゃないかなと。

この気持ちがあると、人生で何か新しいことをはじめるのが億劫になるし、チャレンジ精神も失われて、生きていることを楽しめなくなってしまう気がします。そして最近は、この思考を持っている人がすごく多い気がします。

まあ、僕も偉そうなことは言えず、無意識に失敗を恐れたり恥をかきたくないと思ってしまうことがあります。でもそういうとき、本当に窮屈で自分で自分の人生を選んでいる気がしなくなってしまうのですね。

僕の場合、やっぱり「いい作品を書きたい。人からつまらないと言われる作品は書きたくない」と創作のときに思いやすいです。でも、この思考に囚われているときは、創作そのものをまったく楽しめていないし、書くスピードも圧倒的に落ちます。つまり、何もいいことないんですよね。

だからよく自分に言い聞かせるのは、「失敗してもいいし、むしろ嬉しい」「恥をかけて嬉しい」という言葉です。失敗や恥を恐れる潜在意識に失敗も恥もぜんぜん悪いことじゃないと刷り込ませることで、その窮屈さから解放されていく気がします。

まあ、こういう刷り込みは1日2日で効果が出るものではないので、毎日言い続けることが大切になってきます。僕は執筆中は本当にしょっちゅう「失敗恐れているモード」に突入してしまうので、それこそその度にやるわけです。

創作だけでなくても、人生全てに言えることなんじゃないかなあと思います。失敗や恥を恐れていると人生が停滞してしまって、自分が何をしたいかわからなくなってしまいます。そういうわけで、「失敗してもいいし、恥をかいてもいい」と心で思うことはすごく大切なことだと思うわけなのでした。

というわけで、今日も寝る前に心にくり返しつぶやくことにします。

2025.02.27 Thu.

「森崎書店の日々」新装版

ちょっと風邪をひいてしまい、しばらく日記もサボっておりました。

連休中でだいぶ復調しました。にしても、寒暖の差が激しくて体調崩しやすいですね。読んでいる皆様も、どうぞお気をつけください。

今日はちょっと嬉しいお知らせをひとつ。

長らくお待たせしている「森作書店の日々」と「続・森崎書店の日々」の新装版がようやく出せそうです。詳しくは話せませんが、ようやく権利の問題がクリアになり、自由に出版できるようになったのです!

ああ、よかった。肩の荷が降りた気分です。本当にここまで来るのに長い時間がかかりました……。いろいろな方にご協力いただき、やっとという感じです。ご協力いただいたみなさんには感謝の言葉しかありません。

新装版「森作書店の日々」と「続・森崎書店の日々」は、単行本として今年の秋頃の出版を目指す予定です。

海外ですでに30カ国以上で翻訳展開され、各国でベストセラーになっている本が、なぜか母国の日本では買えないという意味不明な状況がやっと変えられて嬉しい限りです。

この作品を好きな方、読んでみたい!と思いつつも、まだ読めていないという方、ひとりでも多くの方に届けられるようにしていきたいです。おまけの掌編もつく予定なので、既読の方にも楽しんでいただけるんじゃないかと思います。

他にも新作の予定や11月にはアメリカで「純喫茶トルンカ」が出版される予定だったりと、いろいろと楽しみが続きそうです。とりあえず、楽しみに待っていただけたら幸いです。

2025.02.22 Sat.

風邪を引いた

昨日くらいから、どうも風邪を引いたようです。

寒風吹き荒ぶ街中を欲しかった本を求めて、うっかり薄着で歩きまわったせいかもしれません。咳が出るし、鼻も出ます。

というわけで、しばらくは安静にしていようと思います。

こういうとき、猫たちは飼い主を慮って静かにしてくれるか?

答えはノー。いつもの時間に起きてこないと、「起きろ起きろ」とめちゃくちゃしつこく起こしてきます。ジウにいたっては、鼻を噛んでくるので、本当に油断できないです。そんなときはかわいい猫たちも悪魔に見えてくるのでした。

というわけで風邪でも、明日もいつもの時間に起こされることでしょう。まあ、いいです。とりあえず安静にしていようと思います。

2025.02.20 Thu.

犬派と猫派

今日は風が冷たかった…。そんな中、ジウと早朝散歩へ。

でも、猫は元気だったけど、人間の方がしんどくていつもの半分くらいの道のりで断念して帰ってきました。

ところが帰ろうと言ってもジウは「なんだ、まだまだオレは歩くぞ」と抱っこしてもぐねぐねして拒否。それでも強引に抱き上げると、小刻みに震えていました(笑)。寒いんじゃん、キミのその痩せ我慢はなんなんだよ。結局二人してあたたかい部屋の中へと帰りました。

ところで世の中でよく勃発する(?)犬派か猫派か問題。僕は猫を飼っていることからもわかるように基本は猫派なんですが、よく考えたら子供の頃は犬派でした。小学校の頃は犬を飼っていたし、そもそも猫とあまり接する機会がなかったので、猫の魅力というのを知らなかったのです。

それが小説家デビューして少しした頃に、たまたま知人が保護した猫(写真の子・にゃあ太)をもらい受けることになり、そこから猫飼い人生がはじまったのです。それで飼ってみて、自分と猫というのは随分相性がいいんだなと気付かされました。

というのも、僕はかなりの内向型気質の人間なので、猫のような家につくタイプと相性がすごくいいのです。家の中に一緒にいて、でもお互い干渉はしない、みたいな関係性が心地いい。

「BBQでもして騒ごうぜ!俺たち、仲間だろ!」みたいなノリは苦手で、「まあこっちもテキトーにしてるんで、そっちもテキトーにしててくださいよ」くらいのゆるい感じが楽なのです。猫ってそんな感じ。

犬みたいに飼い主への愛情や従順さをわかりやすく見せてはくれないけれど、それでも猫には猫の愛情があって、こちらがさみしかったり傷ついていたりすると、静かに寄り添ってくれる(ような気がする)。

もちろん犬も好きなので、飼ったら絶対かわいいのですがね。でもノリが合うのは猫という気がします。

あ、でもジウは毎朝犬みたいに散歩に行きますね。近所のわんちゃんの飼い主さんたちとも、ジウのおかげですっかり顔見知りです。あれ、意外と自分は犬派なのかも?

2025.02.17 Mon.

DJジウ

今朝もジウといつものように散歩に行くと、ジウ・ファンを公言する近所の方に久しぶりに遭遇。

見つけるや、「ジウちゃ〜ん、おばちゃん、会いたかったよお」と大喜び。駆け寄ってきて、ジウを触ってご満悦の様子。

今日は機嫌がよかったらしいジウは、サービス精神を発揮してファンの前でゴロンと横になっておなかを見せる出血大サービス。「きゃー、ジウちゃん!おばちゃんにおなか見せてくれるの?うれしい!」と黄色い声を上げておられました。

喜んでもらえてよかったけれど、ジウもだいぶ罪作りな男だなあと思う今日この頃です。

そんなジウは、家ではDJジウとしてもよく活躍しています。

DJジウとは何者か?これがですね、うちはHomePodというアップルの置き型スピーカーをリビングに置いているのだけど、このスピーカーはポンと表面を押すだけでSiriが起動して、自動で厳選した音楽をかけてくれる代物なのです。

で、ジウはこれをよくポンと肉球で押すのです。すると音楽が流れ出して、「何事?」と人間側が慌てるというね。

最初は偶然に手で押しただけと思っていたのだけれど、どうやら確信犯らしく、音楽が流れるとどことなくしたり顔でその場から去っていきます。「お前らにオレがご機嫌な音楽を聴かせてやろう」とでも言いたげです。

というわけで、DJジウは今日も僕らが夕飯を食べているところで、音楽を流しはじめました。今日の選曲ははっぴぃえんどの「12月の雨の日」でした。

「流れる人並みを〜ぼくは〜見てる〜」と大瀧詠一の歌声が流れ出すと、我が家の食卓は一気にアンニュイな気分に。いや、いい曲ですけどね、なんで夕飯の時にあえて流すのか。

まあ実際は肉球でボタンを押されたSiriの選曲なわけですが、どうもDJジウの意図的な選曲に思えて仕方ないのです。

そういうわけで、今日は、12月の雨の街中を人が行き交う光景を思い描きながら、夕飯を食べたのでした。

2025.02.15 Sat.

3月5日の対談イベント

今日はすごくあたたかくてジウとの散歩も、 のんびり気分で行きました。

散歩中、尾の長い灰色の毛の鳥が家の垣根に止まって鳴いていて、ジウと2人、ぼんやり眺めていました。あれはなんていう鳥なのだろう、とても綺麗だった。鳴いているのは、メスへの求愛行動?そろそろ春も近くなってきたし、鳥たちも伴侶を探す季節なのでしょうか。

ずっと鳴いていたので、その家のおじいさんも鳴き声の正体が気になって、窓を開けて鳥を探していました。そっと指差して教えると、「ああ、あいつかあ」という感じにおじいさんも笑っておりました。いいですね、和みます。

話は変わって、お知らせにも書きましたが、3月5日、神保町にある韓国本専門店の「チェッコリ」さんで、『不便なコンビニ2』が日本で出版されたばかりのキム・ホヨンさんと対談イベントを行うことになっています。

対談とか苦手なのですが、『不便なコンビニ』がもともと好きだったので、編集者さんからご提案いただいて喜んでお受けすることにしました。当日は個人的にキムさんにいろいろ聞いてみたいことがあるので、聞かせてもらおうと思っています。

もちろん、僕も日本のヒーリング小説の書き手として、創作についてや作品についてお話させてもらうつもりです。ご興味のある方はぜひ。

このまま暖かい日が続いて春に突入するんでしょうかね。ちょっと最近忙しいのですが、天気がいいとそれだけで気分もよくなります。まあ、思わず外に遊びに行きたくなって、そわそわするのでそれはそれで困るのですが。

2025.02.14 Fri.

ドライブ・イン・マンハッタン

今朝もジウと元気に朝から散歩へ。

公園に子供が忘れていったサッカーボールがあって、蹴ってやるとジウが「ワウウ」と追いかけていました。もっともっとという顔してたので何回かしてあげました。まったく、なんという可愛さなんだよ、君は。

さて、今日は夕方で早めに仕事を切り上げて、映画を観に行きました。

観たのは『ドライブ・イン・マンハッタン』という作品。出演者はダコタ・ジョンソンとショーン・ペンの二人だけ、しかも舞台はほぼタクシー内というかなり挑戦的な作品。

もう好みドストライクな雰囲気だったので、公開初日に張り切って観にいってきました。

空港からマンハッタンへと向かうタクシーに乗った若い女性。そのタクシーの運転手である少しばかり口の悪い中年男。たった一晩の夜の出会い。濃厚できらびやかな夜の街の空気が、画面からひしひしと伝わってくる作品でした。甘さひかえめな大人のおとぎ話ともいえますね。

こういう作品だと会話のうまさとか演出の妙さとかが命になると思うのだけど、いやあ、素晴らしかったですね。

ショーン・ペンは『ギター弾きの恋』から好きな役者さんですが、今作でも悲哀あふれる(ついでにがさつな)オッサンを演じていて、もう最高にハマっていました。そしてダコタ・ジョンソンはルネサンス時代の絵画から飛び出してきたような美しさでした。

過剰な演出や音楽を排除し、淡々と2人の会話が続き、少しずつお互いの距離が縮まっていくのが、とてもリアル。そして気がつけば、この2人のことをとても好きになっている自分がいました。

ストーリー展開的にも、安易な奇跡や解決を描くわけではなく、人生のままならなさをしっかり描きつつ、どこか希望を感じさせてくれる。それは世代も立場も性別も違う2人の思いがけない心の通い合いがもたらすものなのでしょう。

今夜もマンハッタンの、あるいはどこかの国のどこかの都市で、こんな邂逅が繰り広げられているのかもしれないですね。そんな想像をすると、胸があたたかくなります。

というわけで素敵な余韻に浸りながら、今夜は寝られそう。映画ってやっぱりいいですね。

2025.02.12 Wed.

みんなちがって、みんないい

今日も朝からジウと散歩。

ジウが元気に毎日散歩に誘ってくれて嬉しいです。元気がなにより。

先住猫のにゃあ太(写真のハチワレちゃん)は10歳という若さで天国に旅立ってしまったので、健康のありがたみを痛感しています。

ずっと一緒にいれるわけではないけれど、やっぱりできるだけ猫たちと一緒にいたいというのが、自分のささやかな願いです。

にしても、今まで3匹の猫を飼ってきましたが、猫って本当にそれぞれびっくりするくらい性格が違います。

にゃあ太は、臆病で寂しがりで超絶甘えん坊。ちょっと家を空けただけでも、「どこ行ってたの?」と帰ってきたらベタベタに甘えてくる子でした。人間と一緒にいるのがすごく好きだったな……。

ジウは、ザ・男という感じで多少のことでは動じず、自分の要求をガンガンに通してきます。細かいことを気にしないので、膝で寝たら多少のことでは起きません。とっても扱いやすい子。

トトは、とにかく超元気。「君、本当に女の子?」というくらい脳に筋肉がいってそうなタイプで、走り回ってます。反面、知らない人が来るだけですぐ隠れる超臆病なところもあってギャップがすごい。

というように、もうそれぞれ全然違うし、この性格というのは飼ってみるまでなかなかわからないところもあります。トトは保護猫団体の方には「超人懐っこくて社交的」と聞いていたのだけど、飼ってみると飼い主以外には懐かない、どころか姿さえ見せない子に成長したしね。

まあ、つまり詩人の金子みすゞの言葉を借りるなら、「みんなちがって、みんないい」ということですね。世界中の猫たちそれぞれ個性がまるで違い、優劣もなく、みんな素晴らしい存在なのです。きっと猫好きの人たちは賛同してくれることでしょう。

翻って人間も、そうであってほしいですね。昨今、ネットなんかではもうとにかく人間同士で優劣をつけるようなことばかりして、ときどき暗澹たる気分になります。

人間もみんなちがって、みんないい。優劣なんてなくて、それぞれがそれぞれの生き方をまっとうすればいい。美しさだってそう。どんな体型でも見た目でも、その人らしい美しさというのがちゃんとあります。世の中の価値観や常識とされるもので、人と比べるのでなく、みんながちがって、みんながいい。競争社会から卒業しないと、いつまでも人間は不幸なままな気がします。

なんか話が逸れたけれど、個性があるって素晴らしいこと。そこに優れてるとか劣ってるとかの比較を持ち込まないで生きていきたいものです。