やぎさわ便り八木沢里志 公式サイト

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夜ごはん、今日は小さな鍋にした。
白菜と豚ときのこだけの、素朴なやつ。
でも、湯気が立ちのぼるだけで、
部屋の空気がやさしくなる。

鍋って、食事というより“儀式”に近い。
ふたりで箸を伸ばして、
どちらともなく火加減を調整して、
「そろそろかな」と目で合図を送り合う。

味がどうこうじゃない。
手間もほとんどかかっていない。
なのに、不思議なくらい満たされる。

食べ終わったあと、
小鍋の底に少しだけ残ったスープを眺める。
そこに一日の余白が溶けているようで、
なぜか心が静かになる。

冬の入り口には、鍋がよく似合う。
また近く、鍋にしよう。

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