また、素敵な本と出会えました。
ドイツのカルステン・ヘン氏による『本と歩く人』。日本では5月後半の出版予定だけれど、推薦文を書かせてもらうことになって一足先に読ませてもらいました。
『本と歩く人』はドイツで60万部を超えるベストセラーになった作品だそう。映画化もされていて、読了後に下の予告編を見てみたら、原作の雰囲気がすごく上手に描けていました。(日本でも映画化されないかな)
物語はというと、本の配達人をするちょっぴり孤独な老書店員カールと、ある日彼の前に現れた謎の少女シャシャが、街の人々に本を届けるというお話。届け先のお客さんは全員ひとくせもふたくせもある人たち。そんな人たちと、自由奔放なシャシャとの交流を描き、ユーモアとやさしさあふれる作品になっています。
なぜ僕がこの本の推薦文を書くことになったかと言うと、実はこの本の英訳版が出たときに『森崎書店の日々』も同じく英訳出版され、二作は一緒に売り出されたことがあったのです。
しかも作者のヘン氏は、ドイツ版『森崎書店の日々』が出版された際に、推薦文を書いてくれたそうで、そんな縁もあって、今度は日本版『本と歩く人』が出版されるにあたって僕のところに依頼が来たというのでした。
もちろん作品も素敵だったから、喜んで引き受けたわけだけれど、こういうふうに海外の作家さんとつながれるのは本当に嬉しいです。
以前『不便なコンビニ』のキム・ホヨン氏とお会いしたときも思いましたが、本を通して尊敬する作家さんたちのこうして交流できるのは、本当に幸せだし恵まれていると思います。今、日本では翻訳小説がなかなか売れないとも聞いていて、海外小説ファンである自分が少しでもお役に立てるならこんなに嬉しいことはないのです。
とにかく、読み終わったあとにじわっと温かい感情があふれてくる作品です。あ、そういう意味でも『森崎書店の日々』に似てるのかな(照れ)。
この作品が日本の本好きの方たちに届くことを祈っております!