やぎさわ便り八木沢里志 公式サイト

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夜、また小鍋を作った。
白菜と鶏と生姜だけの、簡素なやつ。
冬はこういう鍋を食べるのが、ここ数年の我が家の定番。

煮込み始めると、小鍋のふちから「くつ、くつ」と音がする。
この音が好きで、冬になると鍋の回数が自然に増える。

火を弱めると、湯気が静かに立ち、台所の空気がやさしくなる。

食卓に運ぶと、妻が「いい匂い」と言って席に座った。
鍋って、匂いの時点でほとんど勝っている。
そのあと味で二連勝する。

食べていると、じんわり身体が温まって、心のペースもゆっくりになる。

新しい年の始まりに必要なのは、大げさだったり派手なものじゃなくて、
鍋のくつくつという音が響くだけの、こういう静かな夜なのだと思うのです。

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