
『森崎書店の日々』のロシア版の献本をいただいたので、写真を載せておきます。
ロシアの情勢について偉そうなことなど言えない身ですが、苦しい思いで過ごしている方もいると思います。そんな方のところに届いてくれること、そして少しでも明るい気持ちになってくれることを願っています。
これで何カ国めの翻訳出版かな?遠く離れたロシアの地で、自分の本が出版されているというのはとても不思議な気持ちです。
そのように、僕の作品もありがたいことに世界中で読んでもらえているのですが、3月に登壇する予定のある対談イベントのテーマが「なぜ今、国を超えて文学に癒やしが求められるのか?」になったそうです。
今世界中で癒し系の小説が読まれているというのは、僕もよく耳にします。なぜなんでしょうね?個人的にもとても興味のあるテーマです。
「世の中が慌ただしく、しんどいことばかりで、多くの人が癒しを求めている」とか「コロナ禍を経験したことで、人とのつながりやあたたかさを求める人が増えた」とか説明することもできそうですが、それが全てかといえば、違うような気もする。
とはいえ、今はそうしたストーリーや世界観が世界中で受けているわけですが、これが一過性のブームになるか、ずっと続くかは、おそらく誰にもわからないことな気がします。
でも、そうしてブームが過ぎ去ったからといって、自分は癒しの作品を書くのをやめるかといえば、そんなことはないんですね。たとえ、もう世の中にそっぽ向かれても、誰も必要としてくれなくなっても、オファーが来なくなっても、やっぱりそのテーマを書き続けるんだと思います。
なぜなら、僕は自分がそういう小説を必要としているから。自分のために作るという姿勢は、創作をする上で何よりも大事なことだと思います。
そういうわけで、世の中や世間がどんな流れになっても、自分は癒しの小説を書き続けていこうと思うわけです。たとえ、世間のブームから外れようが、それはそれ。根っこの部分では、自分には関係ないのです。
そんな小さな決意も秘めつつ、これからも良い小説を書いていきたいと思っている今日この頃です。