朝、カーテンを開けると、庭にのびた影がいつもより長くなっていた。
冬までの助走期間みたいに、影がゆっくり伸びる。
猫たちと一緒に外に出て、その影の中に自分の足が入り込む。
ほんの数センチの話なのに、妙に季節を感じてしまう。
「影って、季節からの手紙だな」と思った。
新しい季節の始まりを教えてくれる。
猫が尻尾を揺らしながら駆け回ると、影もひらひらと揺れる。
二人三脚みたいに、勝手に寄り添ってくれるのが可笑しい。
昼過ぎには、小さな風が吹いていた。
とても冷たい風だ。
何も言わずに季節だけが進んでいる。
そんな静かな変化に気づけるときって、
心がちょっとだけ柔らかくなっている気がする。