やぎさわ便り八木沢里志 公式サイト

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スーパーで干し芋が山積みになっていた。
秋が深まると、急に食べたくなるやつ。
しかも今年はちょっとやわらかそうで、見るからに当たりの気配がした。

家に帰って、袋を開けてひと切れ口に入れた瞬間、
思わず「うま…」と声が漏れた。
噛むほどに甘くて、
口の中がしずかに満たされていく。

干し芋って、派手じゃないのに心をつかむ。
食べていると、空気までゆっくりになる気がする。

気づけば半分なくなっていて、
「これは危険だ」と大慌てで袋を閉じた。
でも閉じた袋を、しばらく眺めてしまう。
また誘惑されるのがわかっているのに。

冬は、食べ物のやさしい罠が多い季節でもあるよなあ。
悩ましいです。

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