夕方、買い物帰りにふっと白い息が出た。
冬の最初の白い息は、なぜか毎年うれしい。
やっと季節が動いたような、静かな宣言。
試しにもう一度、ふうっと吐いてみる。
やっぱり白い。
通りすがりの人がこちらを見たので、
慌てて歩きだした。
白い息を確認している大人。
なかなかにおかしな人である。
でも冬の入口って、こういう「子どもみたいな行動」を自然に許してくれる。
空気が澄むと、心も素直になるのだろう。
家に帰ると、窓ガラスがほんのり曇っていた。
息が白くなるより先に、
家が冬を迎え入れていたらしい。
ようこそ、冬。