やぎさわ便り八木沢里志 公式サイト

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今朝もジウと元気に朝から散歩へ。

公園に子供が忘れていったサッカーボールがあって、蹴ってやるとジウが「ワウウ」と追いかけていました。もっともっとという顔してたので何回かしてあげました。まったく、なんという可愛さなんだよ、君は。

さて、今日は夕方で早めに仕事を切り上げて、映画を観に行きました。

観たのは『ドライブ・イン・マンハッタン』という作品。出演者はダコタ・ジョンソンとショーン・ペンの二人だけ、しかも舞台はほぼタクシー内というかなり挑戦的な作品。

もう好みドストライクな雰囲気だったので、公開初日に張り切って観にいってきました。

空港からマンハッタンへと向かうタクシーに乗った若い女性。そのタクシーの運転手である少しばかり口の悪い中年男。たった一晩の夜の出会い。濃厚できらびやかな夜の街の空気が、画面からひしひしと伝わってくる作品でした。甘さひかえめな大人のおとぎ話ともいえますね。

こういう作品だと会話のうまさとか演出の妙さとかが命になると思うのだけど、いやあ、素晴らしかったですね。

ショーン・ペンは『ギター弾きの恋』から好きな役者さんですが、今作でも悲哀あふれる(ついでにがさつな)オッサンを演じていて、もう最高にハマっていました。そしてダコタ・ジョンソンはルネサンス時代の絵画から飛び出してきたような美しさでした。

過剰な演出や音楽を排除し、淡々と2人の会話が続き、少しずつお互いの距離が縮まっていくのが、とてもリアル。そして気がつけば、この2人のことをとても好きになっている自分がいました。

ストーリー展開的にも、安易な奇跡や解決を描くわけではなく、人生のままならなさをしっかり描きつつ、どこか希望を感じさせてくれる。それは世代も立場も性別も違う2人の思いがけない心の通い合いがもたらすものなのでしょう。

今夜もマンハッタンの、あるいはどこかの国のどこかの都市で、こんな邂逅が繰り広げられているのかもしれないですね。そんな想像をすると、胸があたたかくなります。

というわけで素敵な余韻に浸りながら、今夜は寝られそう。映画ってやっぱりいいですね。

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